アサリの味噌汁にツブ貝の寿司、牡蠣フライなど、日本人の大好きな貝類ですが「牡蠣を食べた後に下痢が止まらない」なんて話もよく聞きますよね。

貝を食べたことが原因起きる食中毒は、どのような症状が出るのでしょうか?

また、貝を食べた後に腹痛と下痢が起きたものの、嘔吐や発熱などの症状が見られない場合もあります。

このような症状も、食中毒が原因なのでしょうか?

今回、貝の食中毒とその症状や予防法についてまとめます。

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貝が原因で起きる食中毒一覧

貝を食べたことが原因で起きる食中毒を「貝毒」といいます。

貝毒は魚介類が生産する毒物(マリントキシン)の一種で、貝が海中の有毒プランクトンを食べて毒を蓄え、毒化した貝を私たちが食べることで食中毒が起こります。

貝毒は加熱によって無毒化しないですし、毒を蓄積している貝を見た目や味で見極めることもできません。

また、一言で貝毒と言っても色んな種類があり、貝毒によって引き起こされる症状により、

  • 麻痺性貝毒
  • 下痢性貝毒
  • 神経性貝毒
  • 記憶喪失性貝毒

などに細かく分けられています。

 

数ある貝毒の種類の中で発生確率が高いのは、“麻痺性貝毒”と“下痢性貝毒”の2種類です。

特に麻痺性貝毒は全国でみられ、ホタテ、アサリ、ムラサキガイなどが原因で毎年発生しています。

麻痺性貝毒と下痢性貝毒の症状や潜伏期間は以下のとおりです。

麻酔性貝毒

  • 原因となる貝:二枚貝のホタテガイ、アサリ、牡蠣、ムール貝、ムラサキガイ、アカザラガイ、ヒラオウギガイ 等
  • 潜伏時間:食後30分程
  • 中毒症状:唇、舌、顔面のしびれ

 

麻痺性貝毒は食後30分過ぎから中毒症状が現れ、時間の経過とともに全身に広がっていきます。

軽症の場合は24~48時間で回復しますが、重症になると麻痺・運動障害・頭痛・嘔吐・呼吸困難などを起こし命に係わる場合もあります。

治療方法は?

毒を消すことができないため、対処法として胃洗浄や人工呼吸をして症状を抑える形になります。

時間とともに毒は排泄され、12時間を越えると回復に向かいます。

下痢性貝毒

  • 原因となる貝:ムラサキガイ、ホタテガイ、コマタガイ、アサリ、ウバガイ(ホッキ)等、ほぼすべての二枚貝
  • 潜伏時間:食後30分~4時間

 

消化器系の食中毒症状なので、激しい下痢が主な症状です。

嘔吐や腹痛の症状が出ることもありますが症状はそこまでひどくなく、発熱がないので他の食中毒と区別できます。

治療方法は?

下痢による脱水症状が怖いので、水分補給を行いつつ貝毒が身体から排出されるのを待ちます。

3日以内に回復する場合がほとんどで、過去に死亡事例はありません。

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貝を食べた後に腹痛と下痢が続く場合は“下痢性貝毒”

吐き気・嘔吐をともなう場合もありますが、軽度の腹痛や下痢のみの症状の場合、下痢性貝毒の可能性が高いです。

症状が悪化せず我慢できる程度の腹痛や下痢であれば、水分補給を行いつつ貝毒が排出されるのを待ちましょう。

下痢止めは体内から貝毒を排出させる妨げになるので、絶対服用しないでくださいね。

※関連記事

下痢止めは飲み方を間違えると危険!副作用と薬の種類について

 

貝毒は加熱しても毒素がなくならないため、毒を持つ貝を避けるしか予防する方法がありません。

基本的にスーパーで買った貝や漁協が管理している潮干狩り場で取った貝は、貝毒検査しているのであたる心配は少ないです。

ただ、海水浴場などで自家用に採った貝は注意が必要です。

潮干狩りに行く際にも、潮干狩り場や付近の海岸で貝毒が検出されていないか確認してから行くことをおすすめします。

 

症状が重い場合はノロウイルスの可能性がある!

下痢や腹痛の症状が重い場合、ノロウイルスの感染が考えられます。

ノロウイルスはアサリ、ハマグリ、シジミなどの二枚貝、特に牡蠣が原因で感染することが多い食中毒です。

ノロウイルスは下痢と併せて嘔吐や発熱がある場合が多いですが、下痢と腹痛のみが症状として現れることもあります。

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ノロウイルスと下痢性貝毒の大きな違いは、

  • 食中毒の症状が出るまでの期間
  • 熱に対する耐久性

上記の2つです。

下痢性貝毒は食後30分~4時間で発症するのに対し、ノロウイルスは食後1~2日と発症までに時間がかかります。

また、貝毒は加熱しても毒性が消えることはないですが、ノロウイルスは85℃以上で1分加熱すれば死滅します。

 

ノロウイルスは貝類を食べる際、十分に加熱すれば防ぐことができます。

ただ、ノロウイルスは感染力が非常に強いので、貝類を食べて感染するより人から人へうつる形で大流行する可能性が高いです。

予防するためには以下の対策が有効です。

  • 手洗い、うがいを徹底する
  • 感染者の嘔吐物や排泄物を処理した後、感染者が触れた場所・物は念入りに消毒する

 

消毒に関しては、アルコールではノロウイルスは死滅しないため、次亜塩素酸ナトリウムを水で薄めたものを布に10分程浸して拭き取るようにします。

便や嘔吐物処理後に使う消毒液は、500mlペットボトルいっぱいに水を入れ、キャップ2杯分の次亜塩素酸ナトリウムを加えて消毒液を作ってください。

また、感染者が触れた場所・物の消毒に使う場合は少し薄めに消毒液を作ります。

2Lのペットボトルいっぱいに水を入れ、キャップ2杯分の次亜塩素酸ナトリウムを加えて作りましょう。

 

まとめ

貝毒による症状は下痢や腹痛のみの場合が多いものの、麻痺性貝毒に感染すると重症化するケースもあります。

また、貝毒ではなくノロウイルスだった場合、人から人へうつる可能性高いです。

ノロウイルス感染者の看病をする際は、うつされないよう出来る限りの対策を行いましょう。

 

貝類を食べる時は十分に加熱するのはもちろん、食べた後に激しい下痢や腹痛が起きた場合、早急に病院へ行きお医者さんに診てもらいましょうね。

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