刺身や寿司は日本人に非常に好まれ、私たちの食生活に欠かせない食べ物です。

しかし、生魚は美味しい一方で「刺身を食べて下痢した」「腹痛が起きた」など、食中毒の症状が頻繁に起きる食べ物でもあります。

生魚による食中毒を防ぐには、予防法はもちろん、食中毒を引き起こす原因菌や潜伏期間・症状について知っておくことが大切です。

今回、生魚を食べて感染する食中毒の種類や症状、予防法についてお伝えします。

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生魚が原因で起きる食中毒一覧

生魚を食べたことが原因で起きる食中毒は、大きく分けて以下の2種類あります。

細菌性食中毒(細菌が原因の食中毒)

腸炎ビブリオ、ナグビブリオ、黄色ブドウ球菌

寄生虫が原因の食中毒

アニサキス、クドア・セプテンプンクタータ 等

 

さっそく、各食中毒の症状や潜伏期間についてまとめていきます。

細菌性食中毒

腸炎ビブリオ
  • 潜伏期間:8~24時間(稀に2,3時間で発症する場合もあります)
  • 症状:腹痛や下痢、重症の場合は発熱、嘔吐を伴う

 

魚介類の刺身や寿司を食べたり、生魚を調理した後、調理器具や手指についた腸炎ビブリオが他の食品を汚染し、それを通して感染します。

水分補給や病院で抗生物質を投与してもらい、概ね2、3日で回復しますが下痢のみ2週間ほど続く場合があります。

予防法

腸炎ビブリオは真水に弱いので、生魚を調理前によく洗い菌を取り除きましょう。

調理器具や手指もしっかり洗浄、消毒して二次汚染に気を付けてください。

 

ナグビブリオ
  • 潜伏期間:5~12時間
  • 症状:腹痛、嘔吐、下痢、発熱

 

魚介類の中でも、カニやエビ、生カキが原因になる場合が多いです。

水分補給や抗生剤の投与などを行い1週間程で回復しますが、重症化した例もあるので子供や高齢者は注意が必要です。

予防法

生魚は低温を保ち、調理の際は真水でよく洗うようにしましょう。

調理器具は熱湯で殺菌し、調理した魚はすぐ食べるようにしてください。

 

黄色ブドウ球菌
  • 潜伏期間:30分~6時間
  • 症状:腹痛、嘔吐、下痢、発熱

 

生魚だけでなく人の傷口をはじめ、手指、のど、皮膚などに生息し、健康な人の20~30%が保菌していると言われています。

黄色ブドウ球菌は増殖する際に毒素を発生させるため、それが原因で食中毒になります。

菌自体は熱に弱いのですが、毒素は100℃、20分の加熱でも分解されません。

冷蔵保存状態(10℃以下)では毒素を作り出せないので、冷蔵保存が有効です。

治療は水分補給などの対処療法が中心で、通常1~2日で回復しますが重症の場合は入院が必要になります。

予防法

手の傷や手荒れ部分には、多くの黄色ブドウ球菌が生息しています。

その菌が食べ物に移動して口に入り感染するので、手指の洗浄、消毒を徹底しましょう。

また、手指をケガしている場合は調理用手袋を使うなど、食品に直接触れないように気をつけてください。

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寄生虫が原因の食中毒

アニサキス
  • 潜伏期間:8時間以内
  • 症状:激しい腹痛、嘔吐、じんましん

 

寄生虫アニサキスは魚介類(サバ・サケ・イワシ・サンマ・スルメイカ・イワシ・アジ 等)の内臓に寄生しています。

ヒトの胃の中にアニサキスが入っていれば内視鏡で取り除きますが、腸だとアニサキスが死んで吸収されるのを待つしかありません。

アニサキスは人間の体内では1週間ほどで死ぬとされています。

予防法

加熱または凍結により死滅するので、1分間60℃以上で加熱する、もしくは生魚を完全に凍結させてから調理すると安心です。

生で食べる場合は、より新鮮なものを選び内臓を除去してください。

アニサキスは魚の内臓に寄生しますが、温度が上がると身に潜り込む性質をもつため、素早く内臓を除去して身を冷やすことが大切です。

また、アニサキスは肉眼で確認できるので、調理中に1~4センチ程の糸くずっぽいものを見つけると、取り除くか魚自体を捨てるようにしてください。

 

クドア・セプテンプンクタータ
  • 潜伏期間:2~8時間
  • 症状:下痢、腹痛、嘔吐

 

主にヒラメに寄生していますが、食中毒の症状自体は比較的軽めで、水分補給さえ気をつけていれば1日程で回復します。

予防法

-20℃で4時間以上の冷凍、または75℃で5分以上の加熱によって死滅します。

クドア・セプテンプンクタータが寄生した食品を生食することにより、必ず発症するものではなく、二次感染の可能性もありません。

 

生魚による食中毒を予防するために大切なことは?

生魚は様々な食中毒に感染するリスクがあるものの、刺身や寿司は美味しいのでどうしても食べたい人も多いはず。

生魚を食べることで起きる食中毒を予防するためには、以下の4つの対策が有効です。

温度管理の徹底

腸炎ピブリオなど食中毒の原因となる細菌は4℃以下の低温状態では増殖しないので、生魚は速やかに冷蔵庫に入れましょう。

0~4℃で保たれているチルド室がおすすめです。

チルド室がない時は冷蔵庫の中でも温度が低くなる、一番下の段の一番奥に入れるようにしてください。

夏場は冷蔵庫内の温度も上がりやすいので、開閉を少なくして冷気を外に出さないように気をつけましょう。

調理器具の消毒

生魚を調理する際に使ったまな板と包丁は、細菌に汚染されている可能性があります。

たとえ調理途中でも鮮魚をさばく時に使った包丁やまな板は、次の調理にうつる前にきれいに洗って消毒をしましょう。

また、手指にも細菌がつくので石鹸などできれいに洗い消毒することも忘れないでください。

鮮度が悪い生魚は選ばない

トレーに汁が出ていたり、色が変色している生魚は古くなっているものです。

食中毒の原因菌が増殖している可能性があるので、絶対に購入しないようにしましょう。

免疫力が低い人には食べさせない

免疫力の低い人、特に2歳以下の子供や高齢者は食中毒を発症しやすく、また発症後に重症化する可能性が高いです。

また、風邪や病気にかかり弱っている人、病み上がりの人も生魚は食べないようにしてください。

当たり前ですが、どんなに元気でも妊婦は絶対に生魚を食べないでください。

 

まとめ

刺身や寿司はいつもスーパーで売られているので、日本人とってはかなり身近な食べ物ですよね。

贅沢な食べ物なのでつい食中毒の可能性を見落としがちになりますが、煮魚や焼き魚より格段に食中毒の危険性があります。

選び方や保管方法などを今一度確認して、調理の際は細心の注意を払うようにしましょう。

特に夏場は食中毒になりやすいので、十分に気をつけて美味しく安全に食べるよう心掛けてくださいね。

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