お腹いっぱい食べた後、とてつもない眠気に襲われることってホント多いですよね。
「食べてすぐ寝たら牛になる!」なんて言われた経験がある方も多いのではないでしょうか?
でも、“食べてすぐ”の基準ってあやふやなので、できれば具体的に食後何時間後くらいに寝るのが理想なのか知りたくないですか?
今回、食後から寝るまでの時間はどれくらいあけるべきなのか、また、食べてすぐ寝た時のデメリットや昼寝の場合はあける時間が変わるのかまとめました。
目次
食後から寝るまでにあける時間の理想は?
結論から言いますと…食後から寝るまでは3時間以上あけるのが理想です。
理由は、夕食が胃の中で完全に消化される時間が3時間以上だからです。
ちなみに、消化時間は食べ物の種類によって様々です。
- 果物 20~30分
- 野菜 1~2時間
- 炭水化物(米、パン、麺類など) 2~3時間
- 魚 2~3時間
- 肉 3~4時間
果物や野菜は食物酵素を多く含んでいるため、完全に消化されるまでの時間も比較的早いといえます。
寝る前に小腹が空いた…なんて時には、すぐに消化できる果物や野菜を食べるようにしましょう。
反対に、消化に時間のかかる炭水化物や魚や肉などのたんぱく質を摂った後は、寝るまで少なくても3時間以上はあけるべきです。
胃が食べた物を活発に消化している時に寝てしまうと、様々なデメリットがあります。
食後すぐ寝るのは身体によくないことだらけ!
食後すぐ寝ると、牛にはなりませんが様々なデメリットがあります。
もし食後すぐ寝てしまった場合、身体にはどのような悪影響があるのかみていきましょう。
逆流性食道炎
胃酸の逆流によって引き起こされる病気で、食道の粘膜にただれなどが生じ、胸やけなどの不快な症状が起こります。
現在20代30代の若い世代に急増しており、慢性化すると食道がんのリスクも高くなると言われる怖い病気です。
食後すぐに睡眠をとると、消化のために分泌されている胃酸が食道へと逆流しやすくなります。
また、昔に比べて食の欧米化が進み、消化に悪い肉類を食べる機会が多くなったことも逆流性食道炎にかかる人が増えている原因といえるでしょう。
胃の機能が低下する
胃の消化作業をスムーズに行うには、胃の血液循環を良くしてエネルギーを供給してあげることが大切です。
しかし、食後すぐに眠ってしまうと、身体をしっかり休めるために血液の循環が抑制されます。
そうなると、消火作業に必要なエネルギーが十分に胃に供給されないため、胃に大きな負担がかかり、機能が低下します。
胃の機能が低下すると、朝から胃もたれや胸やけなどを引き起こす原因になります。
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脳卒中のリスク
食後に眠気が襲ってくるのは、消化作業のため血流やエネルギー供給が胃腸に集中することが原因です。
消化作業中は脳がエネルギー不足になり活動が弱まるため、眠たくなるのです。
もし、脳の活動が弱まっている状態で眠ってしまうと、身体が本格的な休養に入るので血液の循環はさらに弱くなります。
そうなると、脳細胞に必要な酵素や栄養が届きにくくなり、脳梗塞のような状態になることがあるため、脳卒中のリスクも高まります。
食後すぐ寝てしまうと、胃だけではなく脳にまで悪影響を及ぼす可能性があるのです。
太りやすくなる
ダイエット中は、夕食は軽めにと言われますが、食後すぐに寝てしまうと太りやすくなるのは本当です。
食後は胃腸の温度が上がり体温が上昇するので、大脳が深い眠りに入っていけなくなります。
浅い眠りだと、体脂肪を分解・燃焼する役割がある成長ホルモンの分泌量が減少します。
そうなると、食べた物がそのまま脂肪として蓄積されるので太る原因になります。
食後横になるのは消化を助ける?
食後から寝るまでに最低3時間以上は空けないと弊害が色々あることは分かりましたが、“寝る(睡眠)”と“横になる(休息)は違います。
食後すぐに激しい運動をして胃に負担をかけるより、安静して横になっていた方が消化作業ははかどると言われています。
胃の出口が右側にあり、そこから腸につながっているので、胃酸の逆流を防ぐため体の右側を下にして食後2、30分程横になるといいでしょう。
そうすると、身体に蓄えられているエネルギーを消化作業のみに利用できるので、効率良く消化を行うことができます。
ただし、そのまま寝てしまうのは絶対NGです。
食後横になると眠ってしまいそうになるのは分かりますが、もし眠ってしまうと先程お伝えした色んなデメリットが起きる原因になるので注意してください。
昼食から昼寝までの理想時間は?
夕食後は3時間以上あけてから寝るのが理想ですが、昼食後から昼寝するまでの時間はもう少し短くて済みます。
昼間は体脂肪を分解してエネルギーを消費する働きのある交感神経の活動が活発なので、夜にくらべて消化までの時間が短くなります。
そのため、食後1~2時間後を目安に、
- 机にうつ伏せになる
- ソファーで右側を下にして横になる
などして、20~30分ほど仮眠するイメージで昼寝しましょう。
あまり昼間に深い眠りをしてしまうと体内時計がくるってしまうので、眠る時間は特に注意してください。
ちなみに、昼食後は体内時計の眠気の山と言われる時間帯なので、このタイミングで身体の欲求を満たしてあげると、目覚めた時意識が覚醒しやすくなります。
昼寝後は仕事や家事などの効率が格段に上がるというデータもあるので、毎日食後1~2時間後に20分だけ昼寝する習慣をつけるといいでしょう。
まとめ
食後から寝るまでの時間を3時間以上あけるのは、健康を守るため大切なことです。
これからは、
- がっつり食べたい時は寝る時間を逆算して食事する
- 空腹で眠れない時は野菜や果物など消化がいいものを少し食べる
など、意識して胃に優しい生活を送れるといいですね。